研究課題
若手研究
伝統的に、国際人権法および国内人権法を含む人権法は、国家中心的な法秩序に即した見方に依拠している。しかし、一方でグローバル化の進行により個人が複数の法秩序を基礎とする法規範に拘束される事例が増加し、他方で人権法が多元的に発展しているという認識が醸成されている今日、国家を淵源とする法を中心とした既存の人権法理論は現状に即さなくなっている。この状況を踏まえ、本研究は、法多元主義の立場から、国家以外の主体を淵源とする法秩序も含めた複数の法秩序が併存することにより生じる規範衝突を具体的に検証したうえで、従来の国家中心的な法秩序である人権法に代わる新たな人権法理論を構築・洗練することを目指す。