研究課題
若手研究
1990年代以降の南米諸国において頻発している大統領弾劾発議は、しばしば大統領と国会議員の双方が互いに失脚圧力をかけあう事態に発展している。南米諸国の憲法は大統領弾劾に関する条文を設け、そのうち2か国では、大統領による国会解散に関する規定も含んでいる。こうした国々では、大統領と国会議員の双方が、憲法の規定を拡大解釈あるいは無視する形で、大統領の弾劾もしくは国会解散を通じて、相手の失脚を試みている。では、なぜ政治家達は民主主義の根幹ともいえる憲法に則った手続きを軽視しているのであろうか。本研究では、大統領弾劾発議が頻発する3か国を取り上げ、大統領ー国会関係の視点から弾劾成立の可否条件を特定する。