研究課題
若手研究
従来、民族政党は民族主義的な言説を利用して人々の民族的アイデンティティに訴えることで、支持を集めると考えられてきた。これに対して本研究では、旧ユーゴスラヴィア諸国の事例研究を通して、民族政党が選挙における支持を引き換えとした利益分配、すなわちクライエンテリズムを利用して支持調達を図る条件、メカニズムの解明に取り組む。特に、旧ユーゴ諸国が社会主義時代からの国有企業を中心とした重工業主体の産業構造を引き継ぐ中で、いかに民族政党が物質的な利益分配により支持調達を図っているかを検証する。