研究課題
若手研究
本研究課題は、「批判理論」を代表する思想家であるJ・ハーバーマス(1929-)の公共圏論が、非西洋的社会においていかに読解され、またその読解を通じて、いかなる公共圏論が形成されたのかを明らかにするものである。ハーバーマスの公共圏論は、理性的な市民という均質な主体性を前提とし、こうした型通りの均質な市民とならない周縁的な人々を排除することが論じられてきた。本研究は、そうした議論の中でも、「ポストコロニアリズム」に着目し、こうした潮流が、どのようにハーバーマスの公共圏論における均質性を批判し、また非均質的な公共圏を構想したのかを解き明かすものである。