研究課題
若手研究
1954年の台湾海峡危機を機に締結された米華相互防衛条約により、米軍の台湾駐留が本格的に始まった。その後、1964年の米軍在華地位協定の締結を境に台湾駐留米軍が増えると、米国は条約と協定に記された台湾防衛以外の目的、すなわちベトナム戦争で台湾の基地を利用するようになった。本研究では、台湾駐留米軍の駐留開始から撤退までを通史的に描き、その役割の変化、米台間の合意形成過程、断交後に備えた米軍の台湾防衛措置の解明を進める。本研究では、冷戦期の台湾駐留米軍をリージョナルな役割で再評価し、台湾防衛に焦点が当てられていた米台安全保障関係史の新たな側面を描き、さらに今日の米中対立を議論する上での示唆を得る。