人口減少緩和を目的とした我が国の方針として,地方移住の推進をあげることができる.しかし,地方移住の促進は,その地方の外側に位置する地域内の労働者数を減少させるため,社会厚生の観点から推進すべきと断言できない.そこで,産業の空間分布を変化させる企業施策・地域産業政策のうち,厚生の観点から望ましい施策・政策を解明することで,推進の是非を検討する.本研究課題で実行される新規的な政策分析は,動的な人口減少と集積の経済を考慮した,動的な地域産業政策の厚生分析である.世代重複モデルと多産業の新経済地理学モデルを統合したモデルを構築し,特定の産業・都市に属する企業への支援政策を厚生分析する.
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