研究課題
若手研究
本研究は、近代ヨーロッパ都市における「娯楽消費の大衆化」という観点から流行の生成過程を実証的に検証する。すなわち、19世紀後半のヨーロッパ諸都市でビール消費が階層横断的な流行をみせた要因と、それが都市の「消費景観」に及ぼしたインパクトについて代表的な都市間で比較検討する。具体的にはウィーンとパリにおけるラガービールの事例を取り上げる。その際、両都市で開催された万国博覧会は、ラガービールの需要と供給のありかたにとっての画期として重要な着目点となる。これにより娯楽としてのラガービール消費という視角から大衆消費社会の源流に迫る。