| 研究課題/領域番号 |
24K16452
|
| 研究種目 |
若手研究
|
| 配分区分 | 基金 |
| 審査区分 |
小区分07080:経営学関連
|
| 研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
村嶋 美穂 立教大学, 経営学部, 准教授 (50880879)
|
| 研究期間 (年度) |
2024-04-01 – 2027-03-31
|
| 研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
|
| 配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2026年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2025年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
| キーワード | 組織レジリエンス / ESG評価 / CSR記憶 / 組織倫理 / 従業員エンゲージメント / 新型コロナウイルス感染症 / 国際比較研究 / 定量的・定性的分析 |
| 研究開始時の研究の概要 |
本研究では、新型コロナ感染症流行が企業のESG評価とレジリエンスの関係性に与える影響につき定量的手法を用いて日本企業を対象に分析するとともに、その結果をESGの概念が浸透している欧米とまだ初期段階にある東南アジア(ベトナム等)と比較することでその特徴を明らかにする。また、日本についても国際比較することで、日本独自の特徴や課題を把握する。
|
| 研究実績の概要 |
本研究は、新型コロナ感染症という外的ショックが、企業のESG(環境・社会・ガバナンス)評価と組織レジリエンスの関係性に与える影響を明らかにすることを目的としており、文化的・制度的背景の異なる複数国を対象とした国際比較を通じて、ESGの意義や限界を検証するものである。2024年度は初年度として、理論枠組みの整理、測定変数の構築、および予備的な実証分析を中心に進めた。 具体的には、企業のCSR・ESG活動に関する従業員の記憶(CSR collective memory)が、組織倫理認知や組織コミットメント、仕事満足度に与える影響について、日本の企業を対象としたオンライン調査を実施し、PLS-SEM(部分最小二乗法による構造方程式モデリング)により分析を行った。SmartPLSソフトウェアを用いて構築したモデルにより、CSR記憶が組織倫理の認知を高め、それを介して従業員のエンゲージメントやモチベーションに影響する経路を明らかにした。 本研究の初期成果は、企業のサステナビリティ活動が統治構造に与える影響を組織内部の視点から捉えたものであり、2025年1月にはJournal of Business Ethics主催のペーパーディベロップメントワークショップ("Business, Ethics, and Collective Memory")にて発表した。この発表により国際的なフィードバックを得ており、内容を発展させた学術論文を2025年度に投稿予定である。 本年度の成果は、交付申請書に記載した研究目的である「ESGとレジリエンスの関係性の構造的理解」に沿ったものであり、今後の国際比較分析の理論的・実証的基盤として重要な意義を持つ。
|
| 現在までの達成度 |
現在までの達成度
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は、初年度において理論的枠組みの明確化、測定変数の設計、調査票作成および予備的な実証分析までを計画通りに実施しており、全体としておおむね順調に進展している。具体的には、CSR collective memory・組織倫理・従業員のエンゲージメント・満足度等の構成概念を含むモデルを構築し、PLS-SEM(SmartPLS)による分析を行った。その結果は、2025年1月に国際ワークショップ(Journal of Business Ethics主催)にて発表済みであり、学術誌への投稿準備も進行中である。 また、2025年度に予定している国際比較調査に向けて、英語版調査票の整備にも着手しており、研究の基盤整備が計画通りに進んでいる。現時点では特段の遅延や障害は生じておらず、次年度に向けて実証範囲を拡大する準備が整いつつある。
|
| 今後の研究の推進方策 |
2025年度は、日本・米国・ドイツ・ベトナムの企業を対象に、企業のESG活動・CSR記憶と、従業員の組織倫理認知、コミットメント、レジリエンスとの関係を測定する国際比較アンケート調査を実施予定である。調査票はすでに日英両言語で設計済みであり、各国の研究者・調査会社との連携体制も構築中である。分析手法としては、引き続きPLS-SEM(SmartPLS)を用い、国別比較を通じて、文化や制度の違いが因果構造に与える影響を明らかにする。 2024年度に得られた初期成果は、学術論文として国際誌に投稿予定であり、並行して本研究の前段階にあたる「ポストコロナにおける社会志向型商品の消費者価値の変化:日本・アメリカ・ドイツからの示唆」に関する研究成果についても、2025年7月開催のAcademy of Management (AOM) 年次大会においてポスター発表を予定している。この研究は、企業のCSR活動が外部ステークホルダー(消費者)に与える影響を分析したものであり、本研究の内部ステークホルダー(従業員)に対する影響分析との接続性が高く、理論的にも実務的にも一貫性を持った成果発信として位置づけている。また、調査結果に基づく実務向け示唆の整理と、国際学会・実務フォーラムでの発信も進める予定である。
|