| 研究課題/領域番号 |
24K16498
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| 研究種目 |
若手研究
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| 配分区分 | 基金 |
| 審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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| 研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
飯尾 真貴子 一橋大学, 大学院社会学研究科, 講師 (50906899)
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| 研究期間 (年度) |
2024-04-01 – 2028-03-31
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| 研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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| 配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2027年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2026年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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| キーワード | 人道的管理レジーム / メキシコ難民申請制度 / ボーダースタディーズ / 北米地域における越境的な人の移動 |
| 研究開始時の研究の概要 |
北米地域において、複数の国境を超えて北上する中南米他出身移民は、米国やメキシコによる規制の厳格化のもとで、排除の対象となる一方で、米墨加の難民認定制度を通じた庇護の対象にもなってきた。とりわけ、メキシコは2010年代半ばより国際機関である難民高等弁務官事務所(以下、UNHCR)や難民申請を草の根で支援する移民シェルターによる関わりのもとで難民認定制度を拡大し、受入国としての側面も強めている。 本研究は、このような異なる水準の多様なアクターによる相互連関のもとで分岐する移民の生きられた経験を明らかにするとともに、北米地域で顕在化する庇護と排除を内包するレジームの全体像を描き出すことを目的とする。
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| 研究実績の概要 |
北米地域全体で移民・難民を管理(manage/control)しようとする国際機関や複数の国家による試みのなかで、独自の難民庇護制度の拡大を実践するメキシコにおける階層化された法的カテゴリの形成は、移民・難民の労働市場の編入や諸権利の行使にいかなる影響を及ぼしているのだろうか。本調査は、保護と移動の封じ込めを内包する様々な政策的実践が、国際機関、国家、支援組織といった異なるアクターの相互作用のもとでどのように生み出されているのか。また、メキシコ難民庇護制度のもとで、どのような社会編入をめぐる支援が実践されているのか。メキシコ難民庇護制度のもとで形成される異なる法的カテゴリは移民・難民にいかなる影響をもたらすのか。そして、このようなメキシコの法制度のもとで、移民・難民は労働市場への編入をどのように経験しているのかを明らかにすることを目的にフィールド調査を実施した。 2024年度の前半では、主に文献調査を行った。後半の2025年春には、メキシコ中部(メキシコシティ)、北東部(ヌエボレオン州モンテレイ市とチワワ州チワワ市)でフィールド調査を実施し、各地域の移民シェルターを訪問した。具体的には、1)第2期トランプ政権期における支援活動の状況や移民・難民の社会編入をめぐる状況について聞き取りを行った。また同時に、2)メキシコシティやチワワ市、モンテレイ市において、実際に滞在が長期化している移民・難民に聞き取りを実施することによって、かれらの法的地位と社会編入にどのような関連があるのか明らかにすることを試みた。またこの間、visiting researcherとして、メキシコ社会人類学高等研究所(CIESAS)に滞在し、受入研究者である平井伸治教授をはじめとする複数の現地研究者と交流し、研究に関する多くの助言を得ることができた。
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| 現在までの達成度 |
現在までの達成度
2: おおむね順調に進展している
理由
2024年度は、2025年3月にメキシコ調査を敢行できたことで、一定の進展をみることができたと考える。とりわけ、メキシコシティ周縁部、モンテレイ市、チワワ市という3つの地点において、各地域において定住化が進む移民・難民の方々に聞き取り調査を実施することで、異なる法的地位のもとでいかなる社会編入が可能になっているのか理解を深めることができた。 北東部では、さまざまな現地研究者に助けられながら、移民シェルターやメキシコで定住が進む移民・難民の方々とつながることができた。また、メキシコシティ周縁部では、調査者の友人・知人のネットワークを介して、キューバ出身者へアクセスが可能となった。こうした調査から、第二期トランプ政権誕生によって、米国へのCBPOneを通じた米国への移住と難民申請が不可能になったことから、メキシコでひとまず法的地位を安定させ、滞在を長期化させている人々がいることがみえてきた。 また本調査を通じて、無登録移民のままであるのか、それともメキシコの難民申請が承認され、安定的な法的地位があるのか否かによって、その編入のあり方には大きな違いがあることが明らかになった。難民認定を得て法的安定を獲得した人にとって、労働市場への編入はおおむね順調にいくことが伺え、メキシコでの定住を将来的にも描いていた。ただし、このような難民認定者を受け入れるメキシコの労働市場は、工場労働をはじめとする特定の産業に集中しており、こうしたメキシコの労働力の需要にあてはまらない産業や職業を希望する人々にとって、メキシコの社会編入は依然として困難なものとして経験されている。
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| 今後の研究の推進方策 |
2024年度に行ったフィールド調査を通じて、トランプ第二期政権が発足してから1か月が経過したメキシコの移民・難民をめぐる状況について、研究者、移民シェルターの責任者、そして移民・難民の方々への聞き取りを通じて理解を深めることができた。移民・難民の方々へのアクセスは、未だ課題が残るものの、CIESAS Monterreyで活動する研究者らと知り合い、今後さらに調査を深めていくための道筋も考えることができた。今後は、移民シェルターだけでなく、すでにつながることができた人々やネットワークを活用しながら、移民・難民の方々の社会編入をめぐる経験について、より広範かつ深い聞き取りを実施していきたい。2025年度前半は、メキシコにおける状況をより深く理解すると同時に、後半では米国に越境した移民・難民へのアプローチを試みたいと考えている。 加えて、今後はこれまでの調査で得られたデータをもとに、学会発表および投稿論文の執筆を積極的に行っていきたい。具体的には、2025年7月にはInternational Sociological Associationにて、メキシコでの調査をふまえた研究報告を行う予定である。
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