本研究は現代のアメリカ社会学を対象とする社会学説史研究である。具体的には、ピーター・バーガーの学説の現代的継承の形を検討する。20世紀後半以降のアメリカ社会学を代表する人物の一人であったバーガーの学説の現代的展開を追うことには、喫緊の意義がある。というのもある時期以降の彼のアメリカ社会論は、明確にその分極化という事態を主題としていたからである。それゆえ彼の弟子たちによるその発展的継承を追跡することは、この複雑かつ深刻な問題に対峙する現在のアメリカ社会学説の一つの様態を明らかにすることになるだろう。またそれはアメリカを通して現代社会を考えるための糸口を示唆することにもなると思われる。
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