研究課題
若手研究
社会的要請の強まる教育改革及びその中で学校における授業と教育を方向付ける教授学研究の実証主義化を前に、教授学とはいかなる学問であるか、教育改革のメカニズムをどのように記述しうるか、が問われている。この問題への歴史的応答を、本研究は、ドイツの教育学者シュプランガーの陶冶理想論に基づく教授学体系と教育改革論に求める。陶冶理論・教授学・教育改革の三組という独自の視角から描くシュプランガーの思想から、教授学説史上のエポック転換を導き出すと共に、実証性と規範性に引き裂かれた教授学研究、及び社会的要請と人間形成志向に引き裂かれた教育改革という今日的問題状況に対して特色ある歴史的応答を探る。