研究課題
若手研究
本研究の第1の目的は、「身元のわかる犠牲者効果」 (不特定多数の犠牲者に関する統計情報よりも、犠牲者個人の身元がわかる情報が示される方が、援助がなされやすい傾向) にみられる文化差を説明する理論を構築することである。本研究は、日米間の国民性の違いと、所属集団の違いに着目して検討を行う。また、先行研究では身元のわかる犠牲者効果が、理性的な判断を求めた場合に消失することが示されているが、同時に全体的な寄付額の水準が低下している問題を抱えていた。そこで本研究は第2の目的として、理性的に判断する際の思考内容を2種類に切り分け、不特定多数の犠牲者に対する寄付額が増加するための方策について明らかにする。