研究課題
若手研究
頭頸部がんは耳・口・鼻に発症する腫瘍であり,アピアランス(容貌)の変化が生じる場合が多く,強い恥感情や,希死念慮を生じさせる。アピアランスの変化が生じる手術後の自殺率は,一般人口と比較し2.43倍-4.02倍も高まる。しかし,特に頭頸部がんに絞って,アピアランスの経時的変化に着目した研究は本邦では極めて稀である。本研究の目的は,頭頸部がん患者の希死念慮の心理社会的なリスク要因と保護要因をアピアランスの変化の有無を考慮したうえで明らかにすることである。年間約2万人が罹患するが,世界的にも研究成果に乏しい頭頸部がん患者の自殺予防に資する心理プログラムの開発に展開できる基礎的資料の獲得を目指す。