研究開始時の研究の概要 |
幾何学的群論は無限群を幾何学的手法で研究する分野であり, Gromovによる双曲群の理論を契機として盛んに研究されている. 有界コホモロジーは, 双曲群やその一般化に対して非自明性を示す量であるが, 一般に計算は難しい. 近年では, 無限型曲面の写像類群や曲面の微分同相群といった, 従来の双曲性概念に収まらない「双曲的性質」をもつ群の例が観察されている. 本研究では, これらの群の有界コホモロジーの探求を通して, 有界コホモロジーの理解を進めると共に, 群の「双曲的性質」の新たな定式化を模索する.
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