研究課題
若手研究
ランダム行列は多様な物理現象を記述する数学的模型である.ランダム固有値間には互いに斥力が働くため,時間発展するランダム行列の固有値過程は非衝突過程を構成すると期待される.ところが,固有値過程の確率解析は行列構造に強く依存するため,その構成及び解析手法の一般論は存在しない.本研究では,古典的な実固有値過程であるダイソンブラウン運動模型を2次元空間へ拡張および一般化し,行列構造に付随する固有値過程及び固有ベクトル相関過程を解析する.本研究を遂行することで,ランダム行列に由来する新たな非衝突過程を構成する.また,特異なドリフト項を持つ確率微分方程式の解について,新たな存在定理を構築する.