研究課題
若手研究
本研究の目的は、有限次元スピングラス模型の厳密な解析を行うための足がかりを得ることである。スピングラス模型の平均場理論はParisiが提案したレプリカ対称性の破れの概念によって十分に理解されており、さらに、2000年代になってGuerraの開発した補間法により数学的に厳密な解析も進んでいる。しかし、数十年にも及ぶ研究にも関わらず、有限次元スピングラス模型の厳密な解析手法は残念ながら未だ確立されておらず、数値計算に頼らざるをえないのが現状である。そこで、本研究では相図上の特定の領域(西森線)のスピングラス模型に着目し、相関不等式に基づいて有限次元スピングラス模型の数学的に厳密な解析を目指す。