研究課題
若手研究
最近我々は、有機モット絶縁体λ-(BEST)2GaCl4が圧力印加によって反強磁性―常磁性―反強磁性という特異な相転移を示すことを発見した。圧力下核磁気共鳴測定から、常磁性相によって離れた二つの反強磁性状態における磁気構造が異なることが示唆されている。また、それらの間にある常磁性相は、異なる磁気構造間のスピンフラストレーションに起因した量子スピン液体の可能性がある。そこで本研究では、結晶構造の圧力変化や常磁性状態の極低温における磁気秩序の有無、さらには異方的圧力印加によるフラストレーション制御の可能性を調べ、これらの相転移の起源を実験的に明らかにすることを目指す。