研究課題
若手研究
電子と格子の自由度が強く結合する強相関電子系物質では、結晶中において局所的な秩序構造が現れることがある。物性を理解する上で、この短距離秩序の解明は不可欠であるにも関わらず、その実験・解析が可能な物質群は限られている。特に、3次元的な短距離秩序構造を持つ系において現れる、3次元的なX線散漫散乱を3次元の情報量を落とさずに解析可能な手法は既存しない。本課題では、X線散漫散乱の3次元解析手法の開発を行う。さらに、3次元的な散漫散乱の出現が報告されているパイロクロア型ニオブ酸化物R2Nb2O7 (R: 希土類元素)に着目することで、軌道-格子自由度に由来した短距離秩序状態の解明を目指す。