| 研究課題/領域番号 |
24K17011
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| 研究種目 |
若手研究
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| 配分区分 | 基金 |
| 審査区分 |
小区分13030:磁性、超伝導および強相関系関連
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| 研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
池田 敦俊 京都大学, 工学研究科, 助教 (60971687)
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| 研究期間 (年度) |
2024-04-01 – 2026-03-31
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| 研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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| 配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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| キーワード | 超伝導 / トポロジカル物質 / ディラック電子系 |
| 研究開始時の研究の概要 |
本研究では、2020年に発見された新しい超伝導体であるCaSb2を母物質として元素置換を行い、超伝導性の変化を明らかにする。CaSb2の常伝導状態はディラック線ノード物質という新しいカテゴリーのトポロジカル物質であり、超伝導状態においても線ノード超伝導が理論的には期待される。しかし実際には、CaSb2の超伝導は従来型のフルギャップ超伝導であることが実験的に明らかになっている。そこで本研究ではCaSb2を母物質として元素置換を行って電子のバンド構造を変化させ、それによって超伝導の転移温度やトポロジカル性がどのように変化するかを明らかにする。
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| 研究実績の概要 |
本研究の目的は、元素置換によってCaSb2の電子状態を変化させ、それに伴う超伝導性の変化を明らかにすることである。CaSb2の常伝導状態はトポロジカル非自明な電子状態であることが理論と実験の両面で確かめられているが、超伝導状態は自明なフルギャップ超伝導であることが実験によって明らかになっている。そこで元素置換によって常伝導状態のトポロジカル性を超伝導状態においても顕在化できるのか調査することが本研究の目的である。 今年度はCaをMg, Sr, Ba, Euで部分置換することを試みた。その結果、Sr, Ba, Euについては置換に成功した一方、Mgを用いた場合はCaSb2とは異なる結晶構造を持つ物質が生成することが判明した。完全に置換した物質であるSrSb2, BaSb2, EuSb2は合成の報告があるのに対し、MgSb2という物質の合成例は確認できていない。元素によっては少量であっても置換が単純ではないことが明らかとなった。 置換に成功した物質について超伝導転移温度を測定し、置換量と転移温度の関係を明らかにした。合成したすべての試料で転移温度が低下し、とくにEuについては3%の置換によって超伝導が消失した。SrとBaで置換した物質については超伝導の消失は確認できていないが、置換量と転移温度の関係を外挿すると、Srについては15%、Baについては2%の置換によって超伝導が消失すると予想される。元素置換によって超伝導性が変化し、さらに用いる元素によって変化量が異なるという結果は、本研究の目的に沿った意義のあるものである。従来型超伝導が不安定になると異なる状態に相転移する可能性もあるので、置換量を増やしてさらなる調査が必要である。
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| 現在までの達成度 |
現在までの達成度
2: おおむね順調に進展している
理由
計画どおりSr, Ba, Euについて置換を試み、実際に部分置換に成功している。現在のところトポロジカル超伝導を示唆する結果は得られていないが、置換量を増やしてさらなる調査を行う予定であり、研究の進行状況はおおむね順調であると言える。 研究申請時はMg置換を研究2年目に予定していたが、計画を前倒しして研究初年度に実行した。MgによるCaの置換は単純ではないことが判明したので、今後は置換に成功したSr, Ba, Euを用いた物質に集中するという研究の方向性が明らかになった。
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| 今後の研究の推進方策 |
これまで部分置換に成功したSr, Ba, Euについて、置換量を変化させながら超伝導性の変化を調査する。SrとBaを用いる場合は、それぞれ現在の予想である15%と2%の置換量において実際に超伝導が消失するのか、あるいは何らかの非単調な変化が見られるのかを明らかにする。Euについては3%の置換によって超伝導が消失することがわかっているが、大きな置換量を持つ物質の性質も調査する。EuSb2は反強磁性体であることが知られているので、超伝導体であるCaSb2と反強磁性体であるEuSb2がどのように変化していくのか明らかにする。 SrとBaを用いた物質では超伝導転移温度に非単調な変化が見られた場合、Euを用いた物質では大きな置換量において超伝導が再度発現した場合、従来型であるCaSb2の超伝導とは異なる状態である可能性が高い。そのような超伝導が見つかれば、比熱の温度依存性をとおして超伝導のギャップ構造を明らかにする計画である。
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