研究課題
若手研究
本研究では、自転ブラックホールに特有の時空構造の観測的検証を目指して、X線観測で検証可能なブラックホール周囲の高温プラズマ領域の新しい形成機構 (コロナ加熱機構)を提唱する。具体的には、(1) 自転ブラックホールの時空構造を反映したアルフベン波を介したブラックホールの回転エネルギー抽出機構と(2) アルフベン波の散逸機構によるプラズマへのエネルギー転換の二過程を通じてブラックホールの回転エネルギーをプラズマの運動エネルギーに転換する新しい機構を考える。磁気流体力学とプラズマ運動論に基づいてこの機構を構築し、観測可能量であるコロナ領域の形状や温度とブラックホールの自転角運動量の関係を導出する。