研究課題
若手研究
本研究では、シリコン高温塑性変形技術を用いて、次世代の宇宙観測に強く期待される高角度分解能と大有効面積を併せ持った多重薄板型X線望遠鏡の基礎開発を行う。従来、日本のX線天文衛星に搭載されてきたアルミニウム製の多重薄板型望遠鏡は、剛性の低い素材がゆえに反射面が歪みやすく、角度分解能が悪化しやすい欠点があった。本研究では、高い剛性と優れた反射面形状を持つシリコン基板をX線の集光に理想的な曲面へと塑性変形し、高い角度分解能を持った反射鏡を製作する。また、十分に軽いシリコン薄板を用いることで、多重薄板型の強みである軽量性を損なうことなく、大きな有効面積を持つ望遠鏡が実現する。