| 研究課題/領域番号 |
24K17106
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| 研究種目 |
若手研究
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| 配分区分 | 基金 |
| 審査区分 |
小区分16010:天文学関連
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| 研究機関 | 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 |
研究代表者 |
天野 雄輝 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 宇宙航空プロジェクト研究員 (10990278)
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| 研究期間 (年度) |
2024-04-01 – 2026-03-31
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| 研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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| 配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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| キーワード | 銀河団 / 多価イオン / プラズマ実験 / X線天文学 / 実験室宇宙物理学 |
| 研究開始時の研究の概要 |
銀河団におけるクーリングフローを阻止する「銀河団コアの再加熱機構」は、星生成や銀河団の構造形成を理解する上で重要な未解決問題である。これを解決する有効な手段は、プラズマの乱流速度の分布を測定することである。XRISM衛星を用いて、鉄イオンのL殻遷移輝線の散乱過程(共鳴散乱)を検出することで、乱流速度を測定する。しかし、現状は共鳴散乱の断面積を決める振動子強度の不定性が大きく、乱流速度測定の大きな系統誤差要因になっている。そこで本研究では、我々が開発したプラズマ実験装置「電子ビームイオントラッ プ (EBIT)」を利用して、振動子強度を測定しXRISMのデータ解析に利用する。
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| 研究実績の概要 |
銀河団におけるクーリングフローを阻止する「銀河団コアの再加熱機構」は、星生成や銀河団の構造形成を理解する上で重要な未解決問題である。これを解決する有効な手段は、プラズマの乱流速度の分布を測定することである。我々は2023年打ち上げのXRISM衛星を用いて、鉄イオンのL殻遷移輝線の散乱過程(共鳴散乱)を検出することで、乱流速度を測定する。しかし、現状は共鳴散乱の断面積を決める振動子強度の不定性が大きく、乱流速度測定の大きな系統誤差要因になっている。そこで本研究では、我々が開発したプラズマ実験装置「電子ビームイオントラップ (EBIT)」を利用して、振動子強度を測定し、XRISM のデータ解析に利用する。本研究を通じて得られるデータは XRISM 以降の精密X線・紫外線分光観測の全てのサイエンスに必須であり、これらのデータを網羅的に測定する体制を構築する。 2024年度は予定していたEBITのアップグレードを完了し、SPring-8の軟X線ビームラインBL17SUで鉄イオンのL殻遷移輝線の測定を行った。その結果、3d-2p遷移による共鳴線の分光に成功した。断面積の1桁小さい3s-2p遷移の輝線に関しては、より強度の高いビームラインが必要であることがわかり、NanoTerasuなどでの実験の提案につながった。本結果は天文学会や物理学会等で報告済みであり、現在論文の執筆中である。また、回折格子を用いて、精密分光と天体の空間分解を両立する手法を提案した。これを超新星残骸に適用した結果を現在論文としてまとめている。このように、2025年度に観測研究を行う準備が整いつつある。
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| 現在までの達成度 |
現在までの達成度
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究計画では共鳴散乱の断面積を決定する振動子強度を、我々の開発したプラズマ実験装置EBITで測定し、XRISMの解析に利用する。2024年度は主に振動子強度の測定を行う予定であった。2024年度は予定していたEBITのアップグレードを完了し、SPring-8の軟X線ビームラインBL17SUを用いて鉄イオンのL殻遷移輝線の測定を行い、3d-2p遷移による共鳴線の分光に成功した。本結果は天文学会や物理学会等で報告済みであり、現在論文の執筆中である。また、断面積の1桁小さい3s-2p遷移の輝線に関しては、より強度の高いビームラインを用いるか、バックグラウンドを大幅に下げる必要があることがわかった。そこで、現在はNanoTerasuなどでの実験の提案や、バックグラウンドを低減するための装置の改良を進めている。 本研究では、乱流速度の分布をXRISMで調べることで、加熱機構を明らかにする。そのために精密分光と天体の空間分解が両立できるXRISMの観測が重要である。一方で、XRISMは検出器のBe窓が開かない不具合に見舞われており、Fe-L輝線の存在する軟X線帯域の観測ができない状態にある。そこで、私は回折格子を用いて、精密分光と天体の空間分解を両立する手法を提案した。XMM-Newton衛星の回折格子はスリットのない分散系なので、天体の位置情報と光の波長情報の分離が難しく、天体の空間情報を得るのは難しい。私は輝線のプロファイルから、天体の空間情報を再構成する手法を提案し、これを超新星残骸に適用した。この結果は現在論文投稿準備段階にある。
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| 今後の研究の推進方策 |
2025年度はEBIT実験の追加測定及び回折格子とXRISMを用いた解析を行う。上述した様に本実験に必要なEBITのアップグレードは完了し、振動子強度の測定にも成功している。SPring-8の実績から、正確にfeasibility を見積もることができ、ビームラインのフラックスが1桁向上すれば、確実に実験が達成できることがわかった。NanoTerasuの軟X線ビームラインの利用がその手段の一つであり、現在はビームタイムの獲得に向けた準備を行なっている。2024年度と同様の手法でデータの取得が可能であり、確実な成果が見込める。 上述した様に、XRISMは検出器のBe窓が開かない不具合に見舞われており、Fe-L輝線の存在する軟X線帯域の観測ができない状態にある。そこで、次年度は回折格子を用いた系統解析をXRISMとうまく組み合わせ、観測研究の目的を達成したい。2024年に私が提案した手法を用いれば、回折光子であっても、天体の空間情報が抽出できる。EBITで実測した原子データを回折格子の解析に利用する。
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