大気重力波によって励起源から鉛直上方向に輸送された運動量が地球の高層大気大循環を駆動していると考えられている。地球大気ダイナミクスを詳細に理解するために大気重力波がいつ、どのように励起され、どの程度の頻度で高層へと伝搬するのかを観測により明らかにし、地球大気への寄与を理解する必要がある。山岳などの地形で励起される地形性大気重力波(山岳波)は、励起源が地上に固定されており、季節変動する下層風と相まって大気循環に一定の規則性を与える重要な因子だと考えられている。本研究では、OH大気光の地上イメージング観測により、水平スケールが数10㎞程度の小規模な山岳で励起された山岳波の伝搬特性を明らかにする。
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