研究課題
若手研究
津波によって巨大な岩石や堆積物が地質痕跡として残るため,それらの形成年代に基づく自然災害史の評価が行われている.しかし,地質痕跡の種類によって適用可能な年代測定手法が限られるため,正確な形成年代が未知の地質痕跡が存在する.本計画では,地磁気を使った年代測定の適用試料を拡張する事で,上記問題を解決する.これまでの地磁気年代測定は,石灰岩質の岩石を対象として,手法確立および適用研究が行われてきた.一方,火成岩に同手法を用いると,磁性鉱物の変質に起因する問題から,歴史資料などと比較して古い年代を示す.この課題を解決するため,火成岩や堆積物から変質に強いケイ酸塩鉱物を抽出し,地磁気年代測定を試みる.