研究課題
若手研究
過去の地震時の滑り挙動は、地震発生物理の理解や地震による災害リスク評価において重要な情報である。本研究では、地震時の摩擦熱によって断層中で進行する鉱物の脱水反応に着目し、数値計算・室内実験・天然試料分析の手法を組み合わせることで、断層岩中の脱水反応の痕跡から地震時の滑り挙動の情報を抽出する新たなモデルの構築に取り組む。脱水反応を考慮した数値計算から、脱水反応と関係の深い滑りパラメータを決定・モデル化し、滑り挙動が制約されている実験・天然試料の化学分析から、モデルの妥当性を検証する。これらを通じて、断層岩の地球化学的特徴を地震時の滑り挙動の情報源とする手法の確立を目指す。