| 研究課題/領域番号 |
24K17335
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| 研究種目 |
若手研究
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| 配分区分 | 基金 |
| 審査区分 |
小区分22020:構造工学および地震工学関連
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| 研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
杉本 悠真 岩手大学, 理工学部, 助教 (50940631)
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| 研究期間 (年度) |
2024-04-01 – 2027-03-31
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| 研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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| 配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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| キーワード | 高力ボルト / 引張接合継手 / 多列配置継手 / 片側継手 / 設計法 / 多列配置型継手 |
| 研究開始時の研究の概要 |
本研究は高力ボルト引張接合継手における,多列配置型継手と片側継手の設計法を構築するものである.建設工事の省力化が重要な社会課題となっており,高力ボルト本数を削減できる引張接合継手はそのブレークスルー技術となり得る.しかし,国内の設計基準で設計できる継手形式は限定的で,実構造物における引張接合継手の性能検証にはFEM解析や構造実験が必要となることが多く,設計コストが高い.この課題を受けて,本研究は実構造で特に適用例の多い「多列配置継手」と「片側継手」に着目し,これらの継手の力学的挙動を構造実験とFEM解析により明らかにした上で,設計法の構築に取り組む.
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| 研究実績の概要 |
本研究では高力ボルト引張接合の中でも国内設計指針でその設計法がまだ明記されていない2列配置継手と片側継手の力学的挙動について実験的,解析的な検討を行い,これらの設計法を新しく構築するものである.2024年度は主に2列配置継手に焦点を当てた検討を行った. まずは2列配置継手に関する文献調査により,国外で2種類の2列配置継手の耐力式が提案されていることを確認した.2列配置継手の降伏・崩壊モードはボルト崩壊とフランジ崩壊の組み合わせにより4種類に分類されるが,高力ボルトと継手フランジの複合崩壊型で耐力式が複数存在することを確認した.これらの耐力式の妥当性を検証する目的で,2列配置型継手をモデル化したFEMモデルを作成し,継手フランジ板厚と継手フランジ材質を変化させたパラメトリック解析の結果と耐力式との比較を行った. FEMの結果,継手フランジの材質がSM490Y,高力ボルトがF10Tの組み合わせの継手では,国外耐力式の一つとFEMの継手耐力がよく一致することを確認した.しかし,継手フランジ材に高強度材(SBHS700)を使用した場合,2種類の耐力式がいずれも危険側の評価を与えることが明らかとなり,継手フランジに使用する鋼材の降伏点が高い場合に耐力式の修正が必要であることを明らかにした.このFEMの結果を受けて,2列配置継手の構造実験の計画を行った.4種類の降伏・崩壊モードを網羅できるよう,ボルトピッチと継手フランジ板厚を変化させた構造パラメータを設置し,実験供試体の製作を行った.製作した実験供試体は2025年度に構造実験を実施する予定である. 加えて,2列配置継手の強度と靭性向上が期待できる17Tボルトについて,スプリットティー継手における基礎的な力学的挙動をFEM解析によって整理した.
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| 現在までの達成度 |
現在までの達成度
3: やや遅れている
理由
FEMによる検討はスケジュール通り進めることができている.しかし,市中での鋼材入手に時間を要したため,実験供試体の製作が遅れており,2024年度に実施予定であった構造実験を2025年度に実施することとなった.2025年度前半に実験供試体の納品を予定しており,供試体が納品され次第,構造実験の実施,実験結果の評価に着手する.
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| 今後の研究の推進方策 |
2025年度は2列配置型継手の構造実験と並行し,構造パラメータをさらに充実させたFEM解析の検討を行う.構造実験にて終局状態まで供試体を載荷することで,これまでに検討した降伏耐力のデータに加えて最大耐力についてもデータを取得する.また,FEMの妥当性検証も実施するために,継手の接触圧分布や残留応力等も計測し,FEMモデルが実験結果を高精度に再現できるかを確認し,改良が必要であればモデルの修正を試みる.妥当性の確認できたFEMモデルを使用し,パラメトリック解析を実施する.このパラメトリック解析により,国外耐力式の適用範囲を明らかにするとともに,適用範囲外となる継手諸元での耐力式の修正方針を明示する.加えて,2列配置継手はボルト1本あたりの強度効率が低いことが課題として挙げられる.本研究は2列配置継手の耐荷性能向上も研究目的に掲げており,ボルトピッチを狭くした継手や,高強度・高変形能ボルトを使用した継手の性能についてもFEMを中心とした検討を実施する. また,2025年度からは2列配置型継手に加えて,片側継手に関する検討に取り掛かる.片側継手の課題として,継手ウェブ長さの変化にともない継手耐力が変動することが挙げられる.このため,構造実験を実施する際の適切な継手ウェブ長さの設定が難しい.まずはFEM解析を実施し,継手ウェブ長さと継手耐力の関係を定量化する.その後,片側継手の実験計画を策定する. 最終年度である2026年度は,得られた実験結果やFEM結果をもとに2列配置型継手と片側継手の耐力式改良に取り掛かる.
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