| 研究課題/領域番号 |
24K17558
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| 研究種目 |
若手研究
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| 配分区分 | 基金 |
| 審査区分 |
小区分27030:触媒プロセスおよび資源化学プロセス関連
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| 研究機関 | 東京科学大学 |
研究代表者 |
山本 雅納 東京科学大学, 物質理工学院, 助教 (70802966)
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| 研究期間 (年度) |
2024-04-01 – 2027-03-31
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| 研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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| 配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2026年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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| キーワード | メタン活性化 / 無機合成化学 / 反応速度論 / 多孔質グラフェン / 表面欠陥 / 反応速度解析 |
| 研究開始時の研究の概要 |
金属酸化物ナノ粒子上でのメタンCVDによる多孔質グラフェン合成化学の進展 (M. Yamamoto et al. Chem. Sci. 2024, 15, 1953) を踏まえ、本研究ではナノ構造金属酸化物表面でのメタン熱分解による多孔性グラフェン合成の分子論的理解を更に深化させるとともに、反応制御因子の解明によるメタン分解反応の高度制御を目指す。分子論的理解に基づいた無機合成化学の精密制御により、従前には到達しえなかった高品質三次元グラフェン材料化学の創成を期する。
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| 研究実績の概要 |
研究課題『メタン活性化による多孔性グラフェン材料合成の高度制御』は、メタンを原料ガスとして用いた金属酸化物ナノ粒子上での化学気相成長反応 (CH4-CVD) による多孔性グラフェン合成の分子論的理解を深めるとともに、その制御因子を明らかにし反応を高度に制御することで従前には到達しえなかった高品質三次元グラフェン材料化学を創成することを目的としている。本研究課題開始時点において、大きく分けて以下の3つの研究項目を設定した。① CH4-CVD反応制御因子の探索、② CH4-CVDの分子論的理解の深化、③ 上記に基づくCH4-CVD反応の制御と新規先端炭素材料の合成。このうち、2024年度はCH4-CVD反応制御因子探索およびCH4-CVD反応理解のための反応速度論解析を行った。その結果、安定酸化物ナノ粒子表面でのメタン分解による多孔性グラフェン材料合成反応に関しては、添加した水素ガスが阻害剤として寄与することを実験的に明らかにした。また、包括的な反応速度論解析の実施により、多孔性グラフェン材料合成反応においてはメタンの初期解離吸着が律速であること (M. Yamamoto et al. Chem. Sci. 2022, 13, 3140-3146) を裏付けた。得られた分子論的理解は「CH4-CVDによる多孔性グラフェン材料合成ではメタン分解反応の初期過程を如何に促進するか」が重要であることを改めて強調するものである。次年度はこの理解に基づく反応制御を引き続き検討する。これにより、優れた物性を有する三次元グラフェン材料合成を目指すとともに、多孔性グラフェン材料化学 (M. Yamamoto et al. Chem. Sci. 2024, 15, 15, 1953-1965) の更なる発展を期待する。
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| 現在までの達成度 |
現在までの達成度
2: おおむね順調に進展している
理由
2024年度は研究体制を整備した上で実験的検討を進めた。その結果、安定酸化物ナノ粒子表面でのメタン分解反応による多孔性グラフェン材料合成反応に関しては「添加した水素ガスが阻害剤として寄与すること」を実験的に明らかにした。CH4-CVD反応場へ還元性の水素ガスを意図的に添加することで、安定酸化物ナノ粒子表面の過剰酸化物イオン還元的離脱・表面欠陥生成によるメタン分解活性点付与・反応促進を期待したが、実際には水素ガス添加は炭素成長速度に負の影響を与えることが見出された。炭素源であるメタンガス分子が二次元炭素網へと成長する過程での反応中間体は比較的反応性があり、過剰水素ガスによるエッチング・分解(逆反応)が競合するため、水素添加量を増やすほどに「見かけの炭素成長速度が低下」したものと考察した。今年度はまた、メタン分解による多孔性グラフェン合成に付随する水素製造の選択性を評価した。更に、該反応に関して反応速度論解析を慎重に進めることで、多孔性グラフェン材料合成反応においてメタンの初期解離吸着が律速であること (M. Yamamoto et al. Chem. Sci. 2022, 13, 3140-3146) を裏付けるとともに、反応条件(反応温度とメタン分圧)に関する反応制御因子を一部解明した。得られた分子論的理解は、「多孔性グラフェン材料合成ではメタン分解反応の初期過程を如何に加速するか」が重要であることを改めて強調するものである。次年度以降、反応解析を継続するとともに、得られた分子論的理解に基づいた反応制御を引き続き検討する。
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| 今後の研究の推進方策 |
2024年度の研究進展を踏まえ、金属酸化物ナノ粒子上でのメタン熱分解による多孔性グラフェン合成の分子論的理解・反応速度論解析の堅牢化を目指すとともに、反応制御因子の実験的探索によりメタン分解反応の高度制御を目指す。後者は、より具体的には、実験化学と計算化学を相補的に駆使することで得たCH4-CVD反応の分子論的理解を前提とし、これに基づき設定した仮説群に関して、実験的検証を逐次進める。これによりCH4-CVD反応の制御・理解(理学的知見)を深めるとともに、先端炭素材料合成(工学的前進)を目指す。
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