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不斉ラジカルカチオン反応を開拓する新規キラル光レドックス触媒

研究課題

研究課題/領域番号 24K17677
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分33020:有機合成化学関連
研究機関名古屋大学

研究代表者

大村 修平  名古屋大学, 工学研究科, 助教 (10911662)

研究期間 (年度) 2024-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2024年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
キーワードラジカルカチオン / (4+2)環化付加反応 / キラル鉄(III)レドックス触媒 / 不斉合成 / 光レドックス触媒
研究開始時の研究の概要

本研究は、不斉ラジカルカチオン反応に有効な新たな触媒の開発である。ラジカルカチオンは、ラジカルとカチオンの両性質を併せ持つユニークな化学種として、半世紀以上も前から有機反応に利用されてきた。しかし、不斉反応(鏡映しの異なる分子を作り分ける手法)への応用はほとんど進んでいない。その要因として、高活性と高選択性の両方を実現できる触媒の開発が難しいことが挙げられる。本研究では、反応性と選択性を制御する部位を独立して設計できる理想的な触媒デザインを立案し、不斉ラジカルカチオン反応を開拓する新規キラル光レドックス触媒の開発に挑む。

研究実績の概要

今年度の主な研究実績は「新規キラル鉄(III)光レドックス触媒の開発」「生物活性天然物の不斉全合成」「反応機構の解明」の3点である。以下、各点について簡潔に説明する。

■新規キラル鉄(III)光レドックス触媒の開発:キラルアニオンとアキラルジアニオンから成る新たなキラル鉄(III)光レドックス触媒の開発に成功し、キラル源の使用量を従来法の1/3に削減することに成功した。また、アキラルジアニオンの置換基を詳細に検討することで、キラル源の使用量削減に有効な触媒を設計する上での重要な知見を得た。
■生物活性天然物の不斉全合成:上記触媒を用いて開発した不斉ラジカルカチオン(4+2)環化付加反応を鍵反応に用いて、生物活性天然物heitziamide Aの不斉全合成を達成した。heitziamide Aは2009年に薬用植物Fagara heitziiから単離された天然物であり、呼吸バースト阻害剤としての薬効が期待されている。しかし、天然に存在するheitziamide Aはラセミ混合物であり、より高い薬理活性を示すエナンチオマーの同定には至っていない。本研究で確立した不斉合成法を用いれば、heitziamide Aの両エナンチオマーの作り分けが可能であり、高い薬理活性を示すエナンチオマーの同定および作用機序の解明に繋がる。
■反応機構の解明:ラジカルカチオン(4+2)環化付加反応の中間体の単離に成功し、本反応が協奏的機構ではなく段階的機構で進行することを明らかにした。また、種々の対照実験を行うことで、本反応が高いジアステレオ選択性で進行する理由を考察した。

現在までの達成度
現在までの達成度

1: 当初の計画以上に進展している

理由

R6年度の研究内容「不斉ラジカルカチオン(4+2)環化付加反応の開発」を達成し、R7年度の研究内容「生物活性天然物の不斉全合成」を前倒して実施し、heitziamide Aを合成したため。現在は、他の不斉ラジカルカチオン反応への応用と、他の生物活性天然物の不斉全合成に向けて研究を進めている。

今後の研究の推進方策

今後は「キラル鉄(III)光レドックス触媒の改良」「他の不斉ラジカルカチオン反応への応用」「他の生物活性天然物の不斉全合成」の3点を行う。以下、各点について簡潔に説明する。

■キラル鉄(III)光レドックス触媒の改良:アキラルジアニオンの構造修飾により、高機能なキラル鉄(III)光レドックス触媒を開発する。具体的には、共役系が拡張した分子構造を有するアキラルジアニオンをデザインすることで、より長い波長の光(緑色光や赤色光)の照射下で機能するキラル鉄(III)光レドックス触媒を開発する。
■他の不斉ラジカルカチオン反応への応用:今回開発したキラル鉄(III)光レドックス触媒を用いて他の不斉ラジカルカチオン反応を開発する。具体的には、電子豊富アルケンとスチレン類の不斉ラジカルカチオン(2+2)環化付加反応を開発し、多くの生物活性天然物にみられる光学活性シクロブタン類を合成する。
■他の生物活性天然物の不斉全合成:今回開発した不斉ラジカルカチオン(4+2)環化付加反応によって得られる光学活性シクロヘキセン類を修飾することで、生物活性天然物の新規不斉全合成を行う。また、上記(2+2)環化付加反応を応用することで、norlignan cyclobutaneなどの光学活性シクロブタン骨格を有する生物活性天然物を合成する。

報告書

(1件)
  • 2024 実施状況報告書
  • 研究成果

    (7件)

すべて 2025 2024 その他

すべて 学会発表 (6件) (うち国際学会 1件) 備考 (1件)

  • [学会発表] エナンチオ・ジアステレオ・レジオ選択的ラジカルカチオン(4+2)環化付加反応に有効なキラル鉄(Ⅲ)光レドックス触媒の開発と天然物合成への応用2025

    • 著者名/発表者名
      赤尾 颯斗, 大村 修平, 石原 一彰
    • 学会等名
      日本化学会第105春季年会
    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書
  • [学会発表] 不斉ラジカルカチオン(4+2)環化付加反応に有効なキラル鉄(Ⅲ)光レドックス触媒の設計と天然物合成への応用2024

    • 著者名/発表者名
      赤尾 颯斗, 大村 修平, 石原 一彰
    • 学会等名
      第56回有機金属若手の会
    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書
  • [学会発表] Development of Chiral Iron(III) Photoredox Catalysts for Enantioselective Radical Cation (4+2) Cycloaddition toward Natural Product Synthesis2024

    • 著者名/発表者名
      Shuhei Ohmura, Hayato Akao, Kazuaki Ishihara
    • 学会等名
      34th International Symposium on Chirality (Chirality 2024)
    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 元素戦略で挑む高難度分子変換反応の開発:キラル鉄(III)光レドックス触媒を用いる不斉ラジカルカチオン環化付加反応2024

    • 著者名/発表者名
      大村 修平
    • 学会等名
      第55回中部化学関係学協会支部連合秋季大会
    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書
  • [学会発表] キラル鉄(III)光レドックス触媒を用いる高選択的不斉ラジカルカチオン(4+2)環化付加反応の開発と天然物合成への応用2024

    • 著者名/発表者名
      赤尾 颯斗, 大村 修平, 石原 一彰
    • 学会等名
      第55回中部化学関係学協会支部連合秋季大会
    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書
  • [学会発表] 光照射下で進行する(4+2)環化付加反応に有効な不斉触媒の開発2024

    • 著者名/発表者名
      大村 修平, 赤尾 颯斗, 嶋崎 翔太, 石原 一彰
    • 学会等名
      第17回有機触媒シンポジウム
    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書
  • [備考] 所属研究室のHP

    • URL

      https://www.ishihara-lab.net/

    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2024-04-05   更新日: 2025-12-26  

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