研究課題
若手研究
光ケージド化合物は薬剤の活性や放出を光で制御できるツールとしてライフサイエンス研究でよく用いられているが、可視~近赤外光はヒトの生体深部に届かないため臨床応用は難しい。最近、より生体深部にアプローチ可能なX線を用いたアンケージング法が報告され始めており、活性化の新たな手法として注目されている。本研究では有機ビスマス化合物に着目し、これをX線分解性保護基として確立させていく。保護基自身がX線の直接励起を受けて薬剤を放出する例は未だないが、原子半径の大きいビスマスはX線による直接励起を受けて反応すると予測している。本研究の達成はX線ケージド化合物をがん治療へ応用・展開するための重要な基盤となる。