研究課題
若手研究
がん発症には性差があると報告されているが、がん発症には様々な要因が関与するため、生物学的にがん発症の性差があるかは不明である。細胞競合は、組織に不適な変異細胞や異常細胞を排除する進化的に保存された機構であり、がん発症に抑制的に働く。細胞競合のモデルマウスを用いて、がん遺伝子を発現する細胞(RasV12変異細胞)の排除率を雌雄で比較したところ、膵臓においてメスはオスよりも高いRasV12変異細胞の排除率を示し、性差が認められた。そこで本研究では、肺と膵臓を含めた多臓器を用いた遺伝子発現とエピゲノムの網羅解析を実施し、細胞競合の性差を生み出す分子機序を解明する。