| 研究課題/領域番号 |
24K18128
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| 研究種目 |
若手研究
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| 配分区分 | 基金 |
| 審査区分 |
小区分44020:発生生物学関連
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| 研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
坂下 陽彦 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (60893873)
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| 研究期間 (年度) |
2024-04-01 – 2026-03-31
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| 研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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| 配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2024年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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| キーワード | 初期発生制御 / ハムスターモデル / 内在性レトロウイルス / レトロトランスポゾン / 種間トランスクリプトーム比較 |
| 研究開始時の研究の概要 |
哺乳動物の初期発生過程における胚性遺伝子の発現惹起とゲノム広範囲なエピゲノムの再構築は、個体発生の進行と長期的な種の保存にとって極めて重要な現象である。 本研究課題では、多様な生物種において観察される内在性レトロウイルスの初期胚特異的な発現とその機能に着目した解析を実施し、ERVsが織りなす宿主ゲノム制御機構について生物種をまたいだ共通性と多様性を明らかにする。
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| 研究実績の概要 |
本研究の目的は、哺乳類の全能性制御および着床前初期発生過程における内在性レトロウイルス (ERVs) 機能の進化的保存性と多様性を明らかにすることである。全能性とは、あるひとつの細胞がいかなる細胞種へも分化できる能力を指し、我々ヒトを含む哺乳動物においては、その後個体を形成する受精卵のみが全能性を発揮できる唯一の細胞である。興味深いことに、進化の過程でマウスゲノムに感染したERVsの一種・MERVLは、全能性期特異的に一過的に高発現する。申請者はこれまでに、MERVLの機能的意義に着目した研究を実施し、このMERVLsの転写が、クロマチン制御を介して宿主であるマウス胚の全能性状態の調節と個体発生の開始を担う制御因子として機能することを見出した。一方で、MERVLはマウスゲノム内で独自に進化したマウス特異的ERV因子であるため、我々ヒトを含む他の生物種においては、別の種特異的ERVsが宿主の個体発生に寄与している可能性が強く想定される。本研究では、マウスと近縁でありながら、MERVLを保有しない、かつ進化的に若いERVs因子をゲノム上に多く内包するゴールデンハムスターをモデル生物として用いた。まず初めに、RNA-seq法によりヒト、ゴールデンハムスターならびにマウスの初期発生過程におけるトランスクリプトームの種間比較を行った結果、全能性期特異的遺伝子とERVsを含むレトロトランスポゾンの発現パターンに、高い種特異性が観察された。さらに、ゴールデンハムスターの初期胚において全能性期特異的に発現する転写因子の結合サイトをゲノム広範囲に解析した結果、ゴールデンハムスターで新たに獲得された進化的に若いERVが濃縮されていることが明らかになった。このことは、これらのERVsがマウスのMERVLと同様に、ゴールデンハムスターの全能性制御に寄与することを示唆する。
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| 現在までの達成度 |
現在までの達成度
2: おおむね順調に進展している
理由
哺乳動物胚では受精後、全能性発揮のための重要なプロセスの一環として、胚性ゲノム (遺伝子) の活性化 (ZGA) が生じ、卵子に蓄えられていた母性因子による発生制御から、胚自身の遺伝子を用いたものに切り替わる。本年度までの研究によって、このZGAによって発現が誘導される遺伝子セットや発現パターンは、高い種特異性をもつことが明らかになった。また、このZGA genesの遺伝子セットの中には、種特異的にゲノムに挿入されたERVsを含むレトロトランスポゾン郡も多く含まれていた。さらに、新たに樹立したゴールデンハムスターのiPS細胞において、全能性期特異的転写因子の発現誘導系の確立にも成功している。本細胞株を用いて、CUT&RUN解析によってゴールデンハムスターの初期胚において発現する転写因子の結合サイトをゲノム広範囲に解析した結果、進化的に若いERVが濃縮されていることが明らかになった。これらの転写因子の結合サイトを供給しているハムスター特異的ERVs因子が、マウスにおけるMERVLと同様に、宿主の全能性制御を担っている可能性が想定されるため、現在、これらの機能解析を実施している。以上から、本研究はおおむね順調に進展していると考える。
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| 今後の研究の推進方策 |
上述のハムスター特異的ERVsの機能解析を実施する。ハムスター特異的ERVsを高効率にターゲティングするgRNAセットを設計し、CRISPR activation (a) システムによりiPS細胞内において、ハムスター特異的ERVs因子の人為的活性化を行う。その後、RNA-seq解析により、ERVsの人為的活性化により近傍のZGA genesの発現が惹起されるかどうかの評価を行う。また、gRNAと同様の配列からアンチセンスオリゴ核酸 (ASO) を合成し、実際の初期胚におけるノックダウン実験 (KD) も計画している。ASOsをハムスター受精卵へ前核注入し、マウスにおけるMERVL欠損胚と同様に着床前発生過程において発生障害が観られるか検証を行う。表現型の評価は、免疫染色による免疫細胞化学解析とオミクス解析を統合して、ERVs欠損による影響を同定する。
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