| 研究課題/領域番号 |
24K18137
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| 研究種目 |
若手研究
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| 配分区分 | 基金 |
| 審査区分 |
小区分44030:植物分子および生理科学関連
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| 研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
大久保 祐里 名古屋大学, 理学研究科, 助教 (80991182)
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| 研究期間 (年度) |
2024-04-01 – 2027-03-31
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| 研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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| 配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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| キーワード | プロテインホスファターゼ / 環境応答 / リン酸化プロテオミクス / シロイヌナズナ |
| 研究開始時の研究の概要 |
植物のプロテインホスファターゼ2C (PP2C)は、陸上進出に伴って多様性を獲得した植物最大の脱リン酸化酵素ファミリーである。モデル植物のシロイヌナズナには80個存在しており、ホルモン応答や環境応答に関わることが明らかにされたものも含まれているが、基質同定の難しさから全体の70%は機能が不明のままである。植物の環境適応にとって重要な分子が機能未知のPP2Cのなかにはまだ残されていると考えてられることから、本研究では、定量リン酸化プロテオミクス技術を用いて基質側からPP2Cファミリーの機能解析を行ない、植物の成長や環境応答に関わる新しいシグナル経路の発見を目指す。
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| 研究実績の概要 |
植物のプロテインホスファターゼ2C (PP2C)は、陸上進出に伴って多様性を獲得した植物最大の脱リン酸化酵素ファミリーである。モデル植物のシロイヌナズナには80個存在しており、ホルモン応答や環境応答に関わることが明らかにされたものも含まれているが、基質同定の難しさから全体の70%は機能が不明のままである。植物の環境適応にとって重要な分子が機能未知のPP2Cのなかにはまだ残されていると考えてられることから、本研究では、定量リン酸化プロテオミクス技術を用いて基質側からPP2Cファミリーの機能解析を行ない、植物の成長や環境応答に関わる新しいシグナル経路の発見を目指す。 今年度は,機能未知PP2Cのうち、乾燥ストレスで特異的に発現が誘導される遺伝子に着目して解析を行った。この機能未知PP2Cは植物体全身で発現しており,細胞内局在を観察したところ細胞質に存在することが明らかとなった。基質タンパク質を同定するため,PP2C欠損株ではリン酸化レベルが増加し、かつPP2C過剰発現株ではリン酸化レベルが低下するタンパク質を15N代謝標識による定量リン酸化プロテオミクス法によって網羅的に探索した。その結果,3種類のタンパク質(細胞壁合成関連タンパク質,代謝酵素など)の興味深い基質候補を得ることができた。基質候補タンパク質のひとつについて,リン酸化部位置換株の表現型解析を行ったところ,疑似リン酸化型変異株で植物の生育が抑制され,非リン酸化型変異株では野生株と同程度まで生長した。このことから,機能未知PP2Cによる基質の脱リン酸化が植物の生育を正に制御すると考えられる。今後は乾燥ストレス下でのPP2C欠損株や基質候補変異株の表現型解析を進めていき,乾燥した環境下における機能未知PP2Cの生理的意義を明らかにしたい。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
15N代謝標識による定量リン酸化プロテオミクスによって基質候補となるタンパク質を複数得ることができた。リン酸化部位のアミノ酸置換株を作出したところ,疑似リン酸化型株と非リン酸化型株において植物の生育に差が生じており,機能未知PP2Cが標的とするリン酸化部位が植物の生長制御に重要な役割を持つことが示唆された。
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| 今後の研究の推進方策 |
解析対象としたPP2C遺伝子は乾燥ストレスで特異的に発現が誘導されることから,PP2C欠損株および基質候補のリン酸化部位置換株は乾燥ストレス耐性に影響が出ると予想しており,土植えのシロイヌナズナを用いた乾燥処理の条件検討を進めている。乾燥処理時の植物体のサイズや水分量に加え,代謝産物への影響をGC-MSを用いたメタボロミクスによって検証する。
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