研究課題
若手研究
我々ヒトが特定の異性に感じる「愛」はいつ進化したのか?という話題は、コミカルでありながらも進化生物学的に解明が待たれる謎の1つである。ヒトでは、特定の異性に対して選好性と執着を抱く神経科学的機序がペアボンド(パートナー間の絆)を形作ることが知られているが、他の一夫一妻制の脊椎動物が持つペアボンドの神経基盤には多くの謎が残されている。本研究では、一夫一妻のカワスズメ科魚類がペアボンドを構築する過程に焦点を当て、特に報酬系と呼ばれる神経回路とストレス応答に関与する脳領域がペアボンドの構築にどのように寄与するかを調べることで、脊椎動物に見られる一夫一妻制の進化的相同性を統合的に考察する。