研究課題
若手研究
近年、神経系と免疫系の相互作用が明らかになりつつある。皮膚では、辛味受容体であるTRPV1への刺激が神経ペプチドの放出を通じて樹状細胞を活性化し、アレルギーや感染防御に関与する。蛋白抗原に対して皮膚では免疫応答が増強される一方、口腔では免疫寛容が誘導される。従って口腔組織では、食品に含まれるカプサイシンなどのTRPV1アゴニストが、食品の蛋白抗原に対して皮膚とは異なる免疫応答修飾をしている可能性が高い。本研究は口腔のTRPV1発現神経刺激による神経系-免疫系相互作用と、その全身免疫系への影響を明らかにし、食によるTRPV1刺激を介した全身の免疫応答制御の可能性を示すことを目的とする。