研究課題
若手研究
本研究は、がん分子標的薬であるオシメルチニブによる心毒性発生メカニズムの解明を目的とする。オシメルチニブは、同じ EGFR チロシンキナーゼ阻害薬の中でも、心毒性の発生頻度が高く、その要因として、オシメルチニブ特有の液胞型プロトンATPase (V-ATPase) 阻害作用に着目した。オシメルチニブ投与により実際に心毒性が発生した患者とそうでない患者から樹立したiPS細胞を心筋細胞へ分化させ、細胞間で V-ATPase 阻害に対する感受性や関連遺伝子の発現に差があるか確認する。これらの検討から、V-ATPase がオシメルチニブによる心毒性からの保護標的として捉えることができるか判断する。