研究課題
若手研究
シスプラチン誘発腎障害の発生は、原疾患に対する治療の妨げになるだけではなく、患者のQOLを著しく低下させるため、臨床上そのコントロールが非常に重要である。しかしながら現在有効な予防法はなく、新たな予防戦略の開発が求められている。これまで基礎研究で抗酸化薬や抗炎症作用を示す薬物に期待が寄せられていたが、臨床応用に至った例はない。一方で、ヒトの病態とシスプラチン投与腎障害モデルマウスとの両方で共通して相関がみられ、指標となりうるのがシスプラチンの蓄積量である。本研究はシスプラチン誘発腎障害の根本原因と考えられるシスプラチン蓄積に直接アプローチすることで、真に有効性の高い予防戦略の確立を目指す。