| 研究課題/領域番号 |
24K18366
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| 研究種目 |
若手研究
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| 配分区分 | 基金 |
| 審査区分 |
小区分48030:薬理学関連
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| 研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
山口 勇太 神戸大学, 医学研究科, 特命助教 (10983728)
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| 研究期間 (年度) |
2024-04-01 – 2026-03-31
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| 研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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| 配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2024年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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| キーワード | ストレス / 好中球 / 自然免疫 / 自然免疫記憶 / 神経炎症 |
| 研究開始時の研究の概要 |
うつ病などの心の病の病態生理には、脳神経系だけでなく免疫系の異常が深く関与する。慢性ストレス後に自然免疫細胞の一つである好中球が末梢血中で上昇することから、精神疾患病態における好中球の重要性が示唆されている。しかし、慢性ストレスによる好中球の機能変化と神経炎症病態におけるその役割については未解明である。本研究では、慢性ストレス下における好中球機能の全容を把握し、その中枢神経系への影響を明らかにすることで、好中球を介した神経炎症病態のメカニズム解明と好中球を標的とした予防・治療法の探索を試みる。
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| 研究実績の概要 |
慢性ストレスは、うつ病をはじめとした多くの精神疾患におけるリスク因子として知られている。慢性ストレスによって脳内だけでなく末梢レベルで炎症反応が誘導される。マウスモデルにおいて、ストレス直後、好中球が著明に増加することが知られる。また、うつ病や統合失調症、双極性障害患者の末梢血において、リンパ球に対する好中球の比率が上昇するという臨床的知見がある。本研究では慢性社会ストレスモデルを用いて、ストレスが好中球機能に与える影響を調べた。好中球の機能には、活性酸素種産生やDNAヒストン修飾(好中球細胞外トラップ)、ミトコンドリア代謝、貪食能、遊走能、脱顆粒能、サイトカイン産生能などがある。in vitroの実験を用いて、その中の一部機能が特異的に亢進するという、質的変化を明らかにした。その変化はストレスによって誘導される行動変化と正の相関を示した。また、好中球を遺伝学的操作によって除去する実験では、ストレスによって誘導される行動変容が、好中球除去群において一部改善傾向にあることもわかった。さらに、骨髄から好中球を単離し、遺伝子発現解析を行なった。対照群と比較して発現変動のある遺伝子を用いたパスウェイ解析では、好中球機能に関連するパスウェイが検出された。その結果は、in vitroの実験結果とも矛盾しないものであることを確認している。以上の結果は、慢性ストレスによって好中球機能が変化し、その動員が神経炎症、さらには行動変容の原因となり得ることを示唆している。
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| 現在までの達成度 |
現在までの達成度
2: おおむね順調に進展している
理由
一部の実験系において、想定以上に立ち上げや条件検討に時間を要したが、好中球の機能解析やバイオインフォマティクス解析は概ね完了しており、順調に研究が遂行できているもとの考えている。
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| 今後の研究の推進方策 |
慢性ストレスによる好中球機能変化と中枢神経系との直接的関与、機能変化した好中球サブタイプの同定、好中球特異的遺伝子改変マウスを用いた実験、好中球が治療ターゲットとなる可能性の探索などを実施していきたい。
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