研究課題
若手研究
胚発生過程では、胚盤胞の段階でエピゲノム情報が一旦消去され、その後の体細胞分化過程で細胞系譜に応じてエピゲノムが再確立される。これにより適切な遺伝子発現が生じ、正常な胚発生が進む。しかし、エピゲノム再確立と遺伝子発現制御の分子機構は解明されていない。ヒストンH3リジン36ジメチル化酵素(H3K36me2)をコードするNSD1は、エピゲノム修飾を介して遺伝子発現を制御しており、その機能不全はヒト疾患をはじめとした様々な表現型を惹起する。本研究では、独自に樹立したNsd1 cKO ES細胞を分化誘導することで胚盤胞以降の分化過程を再現し、エピゲノム再確立と遺伝子発現制御の分子機構を明らかにする。