研究課題
若手研究
膵がんは、罹患者数に対する死亡率が高く、根治の難しい固形がんである。そのため治療成績の向上が不可欠で、治癒につながる個別化治療の開発が望まれている。これまでいくつかのがん腫において、遺伝的要因に関与しているABO式血液型と発がんリスク、長期的な予後に関する研究が行われてきたが、一定の見解を得ておらず十分な根拠は得られていない。その根拠を明らかにするために、前段階の研究として、膵がん切除例に対し糖鎖抗原の発現状況を検証した。腫瘍部における糖鎖発現の変化が、癌の生物学的悪性度、抗がん剤感受性と関連する可能性が示唆され、これを多数の症例で検証し糖鎖抗原発現をターゲットにした個別化治療を提案する。