研究課題
若手研究
世界で 3 億人を超えるうつ病患者のうち、「モノアミン仮説」に基づいた既存の抗うつ薬が奏功しない治療抵抗性うつ病患者は全体の 30% を超えている。近年米国では、ケタミンの光学異性体であるエスケタミンが治療抵抗性うつ病に対して認可された。しかしながら精神病症状惹起作用や薬物依存などの副作用の問題が依然解決しておらず、新たな治療薬開発は重要な課題である。そこで本研究では、ケタミンの抗うつ作用メカニズムの一つとして提唱されている神経構造変化作用に着目し、うつ病において殆ど研究されていないシナプスオーガナイザーの変容が、治療抵抗性うつ病の発症・治療においてどのような役割を担っているのかを解明する。