| 研究課題/領域番号 |
24K18829
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| 研究種目 |
若手研究
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| 配分区分 | 基金 |
| 審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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| 研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
福井 秀行 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (00721101)
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| 研究期間 (年度) |
2024-04-01 – 2027-03-31
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| 研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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| 配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2026年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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| キーワード | 膵臓癌 / 細胞外容積分画 / ECV / 線維化 / IWR |
| 研究開始時の研究の概要 |
本研究は、膵臓線維症と膵臓癌の関連性を非侵襲的な画像診断技術で調べることを目的とする。造影CTにおけるヨード洗い出し率(IWR)の有用性を細胞外容積分画(ECV)と比較し、評価する。IWRは肝臓線維症の評価に有用だが、膵臓線維症評価における有用性は未知である。本研究により、膵臓線維症と膵臓癌の関連性の理解が深まり、早期発見とリスク分類に役立つ可能性がある。
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| 研究実績の概要 |
本研究は膵臓線維症評価における造影CTのヨード洗い出し率(IWR)の有用性と、細胞外容積分画(ECV)との比較、および膵臓癌との関連性を調査することを目的としている。膵臓線維症は慢性膵炎や膵臓癌などの病態に関連する重要なプロセスであり、非侵襲的評価法の開発は臨床的に重要である。 今年度は、膵臓組織から測定された線維化含有率とIWRおよびECVとの相関関係を分析した。膵臓切除を受けた51名の患者(膵臓癌21名、その他疾患30名)を対象に、造影CT画像からIWRとECVを算出し、組織学的に測定した膵臓線維症との相関を調査した。その結果、IWRPPPEPとIWRPVPEPおよびECVは膵臓線維症と強い相関を示した(r = -0.69、-0.61、0.65)。膵臓癌群では非癌群と比較して線維化含有率とECVが有意に高値を示し(30% vs 12.5%、40.3% vs 33.0%)、IWR値は有意に低値を示した。 さらに、IWRとECVを組み合わせた線形回帰モデルを構築し、膵臓線維症予測精度の向上を実現した。IWRPPPEP+ECVモデルとIWRPVPEP+ECVモデルはRMSEとAICが最も低値であり、単独モデルよりも優れた予測性能を示した。これらの結果は、IWRとECVが膵臓線維症の非侵襲的評価に有用であり、膵臓癌リスク予測の可能性を示唆している。 また、本研究では新しいサブトラクション法(SURE SUBTRACTION Iodine Mapping)を用いて非線形・非剛体位置合わせを行った差分画像を生成し、より正確なIWRとECVの算出を可能にした。この手法により、呼吸による位置ずれの影響を最小限に抑え、信頼性の高い測定値を得ることができた。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は当初の計画に沿って順調に進展している。まず、膵臓手術を受けた患者の組織サンプルを収集し、膵臓線維化の定量的評価を顕微鏡を用いて実施することができた。また、術前の造影CTからヨード洗い出し率(IWR)および細胞外容積分画(ECV)の測定にも成功した。 予備的な解析では、膵臓線維症とIWRPPPEP、IWRPVPEP、およびECVとの間に有意な相関関係を確認することができた。特にIWRPPPEPは線維化含有率と強い相関(r = -0.69)を示し、当初の予測通りの結果が得られている。さらに、膵臓癌群と非癌群の比較では、線維化含有率、IWR値、ECV値のすべてに有意差を見出すことができた。
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| 今後の研究の推進方策 |
まず、現在進行中のIWRとECVを組み合わせた線形回帰モデルの精度向上に取り組む。具体的には、線維化の程度が軽度から重度まで幅広い症例を追加して解析することで、各モデルの予測精度の検証と改良を行う。また、IWRとECVに影響を与える可能性のある炎症や静脈うっ血などの因子を考慮した補正方法についても検討を進める。 次に、膵臓線維症と膵臓癌との関連性をより詳細に調査するため、患者の臨床データ(喫煙歴、飲酒歴、糖尿病の有無、家族歴など)と画像バイオマーカーとの多変量解析を実施する。これにより、膵臓癌発生リスクに関する予測モデルの構築を目指す
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