研究課題
若手研究
ALKチロシンキナーゼ阻害薬は、著明な腫瘍縮小効果をもたらすが、多くの症例が残存病変を背景として増悪に至る点に臨床的課題がある。治療初期のアポトーシス誘導を回避した一部の治療抵抗性細胞(drug persister)は、長期の薬剤曝露により多様な耐性機構を獲得することが報告されており、初期治療の有効性を高め、がん細胞のアポトーシス抵抗性を克服し、多様な耐性機構の獲得を防ぐことが、予後改善において重要と考える。本研究では、治療初期にALKシグナルの抑制により誘導される適応耐性(adaptive resistance)の分子機構に着目し、ALK肺がんの治癒を目指した新たな併用治療の開発を試みる。