研究課題
若手研究
術後せん妄(POD)は手術や全身麻酔を契機に一過性の意識精神障害を引き起こす。術後認知機能障害に進展することやPOD自体が術後死亡率上昇の独立した危険因子となっている。その発症に脳内炎症やアミロイドβの蓄積の関与が近年明らかになった。これらはアルツハイマー病の発症機序に関与しており両者の病態には共通の部分がある可能性がある。またアルツハイマー病と睡眠障害は密接な関係にある。さらに健常高齢者での睡眠障害はアミロイドβの蓄積及び認知機能障害に関連するという報告がなされた。本研究は臨床研究で術前の睡眠障害がPOD発症に与える影響、基礎研究で睡眠障害への介入によるPODの予防及び治療について検討する。