研究課題
若手研究
神経症状を伴う網膜色素変性症の一部では、機能未知のリン脂質代謝酵素PNPLA6の点変異が報告されていた。申請者はこれまでに、本酵素がホスホリパーゼB活性により膜リン脂質の一種であるホスファチジルコリン(PC)をグリセロホスホコリン(GPC)に変換してコリンの動員に関わること、網膜色素上皮特異的PNPLA6欠損マウスが網膜変性を生じることを発見した。そこで本研究では、PNPLA6により動員される内因性コリンおよびこれを元に再合成(リサイクル)される新規リン脂質が網膜色素上皮細胞や視細胞の恒常性を維持する分子メカニズムを明らかにすることで、網膜変性の新たな発症機構を解明する。