研究課題
若手研究
多くの現実の問題では因果効果の識別に必要な共変量の欠測が生じるが、既存手法は強い仮定を用いるため適用可能な状況が限られる。本研究では、補助データを組み合わせるデータ融合によって、現実的な仮定のもとで因果効果を識別する新しい枠組みの構築を目指す。データ融合は多様なデータ活用の潮流に合致しているが、欠測共変量への適用は少ない。本研究では、(A)因果効果が識別可能な条件の特定と、(B)その条件下での推定手法の開発および理論的性質の導出に取り組む。これまで因果推論が困難だった問題設定に対する理論的分析と推定手法を提供することで、幅広い分野における最適な意思決定支援に貢献すると期待される。