生存時間解析において頻用されるCoxモデルにおいて、標準的な部分尤度関数に基づく推定量は生存時間や共変量の外れ値に対して頑健ではなく、ごく少数の外れ値に敏感に反応して推定にバイアスが生じることが知られている。実際に臨床研究においては、一部の症例の生存時間が想定されるモデルとは異なる生物学的プロセスを通じて観察される場合がある。Coxモデルに対する頑健なパラメータ推定法はこれまでにいくつか提案されており、いまなお議論されている。本研究では、ロバスト統計の分野で近年発展しているダイバージェンスに基づく手法を参考に、新たにCox比例ハザードモデルの頑健な推定手法を開発する。
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