| 研究課題/領域番号 |
24K20791
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| 研究種目 |
若手研究
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| 配分区分 | 基金 |
| 審査区分 |
小区分61010:知覚情報処理関連
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| 研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
鳥谷 輝樹 山梨大学, 大学院総合研究部, 特任助教 (00911223)
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| 研究期間 (年度) |
2024-04-01 – 2027-03-31
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| 研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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| 配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2025年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2024年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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| キーワード | 骨導 / 気導 / 騒音抑圧 / 振幅・位相補正 |
| 研究開始時の研究の概要 |
安全・安心な聴覚保護の実現に向けて,周囲の音を遮断せずに騒音を抑圧する技術の実現が求められる.本研究の目的は,骨導デバイスを利用して耳を開放したまま騒音を抑圧するための信号処理法を確立することである.まず,気導音を抑圧するために骨導音が満たすべき振幅・位相条件を複数の単一周波数で明らかにする. 次に, 得られた振幅・位相条件を複数の周波数に対して同時に適用し,複合音の抑圧量を明らかにする.最後に,決定した周波数帯域にわたって振幅・位相条件を内挿することで,振幅・位相補正フィルタを設計する.このフィルタを骨導デバイスに適用することで,広帯域に成分を有する定常騒音が十分に抑圧できるかを検証する.
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| 研究実績の概要 |
本研究では, 気導音を抑圧するための骨導音の最適な振幅・位相条件を周波数ごとに明らかにし,骨導音に所望の振幅・位相調整を施すことによる騒音抑圧の実現を目指している. 実施1年目においては,単一周波数において骨導音で気導音を抑圧するための最適な振幅・位相条件を決定するために,250,500,1000,2000,4000,8000 Hzの純音を対象とした抑圧実験を実施した.第一に,各周波数の純音において気導・骨導音の主観的な音の大きさ(ラウドネス)を等価とするような骨導音の振幅条件を探索した.第二に,決定した振幅条件の下で,気導・骨導音の同時聴取時にラウドネスを最も小さくする骨導音の位相条件を探索した.第三に,得られた振幅・位相条件を満たす骨導音を気導音と同時に提示した際の抑圧量を,調整法による主観評価実験により測定した. いずれの周波数においても,最適な振幅・位相条件が明確に存在することが確認された.その際,聴取者間で振幅には最大約15 dB,位相には最大約132°の個人差があることが分かり,聴取者ごとに最適な振幅・位相調整を施す必要性が明らかとなった.最適化された骨導音の振幅・位相条件において,気導音は平均約5 dB,最大約12 dBの抑圧量を実現した. 8000 Hz の高周波数においては最適な位相条件の決定が困難であったが,250 Hz や 1000 Hz 等の低周波数域においては参加者内・参加者間ともに一貫した位相差の傾向を有することが明らかとなった.このことから,今後広帯域音の抑圧を検討する際には2000 Hz以下の低周波数域に限定することが有効かもしれない.
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| 現在までの達成度 |
現在までの達成度
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画調書に記載した項目【単一周波数における抑圧条件の決定】を,当該年度を通じて概ね予定通り実施することができた. 経皮骨導提示に加え軟骨導提示による抑圧量評価についても2024年度の実施項目に記載していたが,デバイスの出力校正方法等の詳細な検討の必要性から,2025年度の実施とする予定である.一方,2025年度に実施予定であった【複合音を対象とした抑圧効果の検証】について,2024年度に前倒しで検討を進めることができ,現時点で3.8 dB程度の抑圧が可能であることを示した. 以上の点により,総合的な評価として「順調に進展した」と判断する.
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| 今後の研究の推進方策 |
【現在までの進捗状況】に記載した通り,軟骨導提示による抑圧量評価を2025年度に実施する.また,【複合音を対象とした抑圧効果の検証】については,振幅・位相補正フィルタの設計方法について詳細に検討する予定である. 2024年度の研究成果を国内外で発表予定である.
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