研究課題
若手研究
樹木に取り込まれた炭素は、枝や幹といった木部の生産に使われると長期間樹体内に蓄積される。木部生産量とその気候応答を予測するに際し、ある高さの幹の年輪幅を指標とした解析が広く行われてきた。しかし年輪幅の年変動は、幹に沿った高さや幹枝間で異なることが分かりつつある。本研究の目的は、木部生産量がなぜ個体内の位置により異なるのかを明らかにすることにある。年輪幅の個体内差を定量化したうえで、成長時期や細胞の観察と炭素安定同位体を用いた実験的手法を組み合わせることで、個体内差を生むメカニズムを明らかにする。従来の指標が含む課題を、定量的かつ根拠を持って提示することで、全球的な炭素循環研究に貢献する。