| 研究課題/領域番号 |
24K20957
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| 研究種目 |
若手研究
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| 配分区分 | 基金 |
| 審査区分 |
小区分64040:自然共生システム関連
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| 研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
神吉 隆行 九州大学, 工学研究院, 学術研究員 (50992806)
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| 研究期間 (年度) |
2024-04-01 – 2027-03-31
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| 研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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| 配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2025年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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| キーワード | 藻場 / 浅海底 / フォトグラメトリ / ウニ / 底生生物 / 景観生態学 / サイドスキャンソナー / ウニ類 / ハビタットマッピング |
| 研究開始時の研究の概要 |
地図の整備されていない浅海底では、地形や植生の空間的分布を把握することが容易ではなかった。多数の画像から3次元形状を復元することが可能なフォトグラメトリを用いることで、海底の地図や植生図を作成することが可能となる。本研究では、主に九州北部沿岸における磯焼けを免れた転石藻場とその周辺の磯焼け域を対象に海底植生図を作成し、周囲の地形や環境の配置、藻場を利用する生物各種の空間的な分布パターンを明らかにすることで、藻場の残存しやすい立地条件や沿岸生態系の保全上重要な立地条件を抽出する。これらにより、浅海底における景観生態学的アプローチを切り拓くモデルケースとする。
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| 研究実績の概要 |
複数時期に同地点で撮影した写真からフォトグラメトリにより海底DSMを構築し、これらを重ね合わせることで海底の底質や植生などの時間的変化・季節変動をモニタリングする手法を確立した。 大槌湾の潮下帯岩礁域においては、フォトグラメトリにより0.25haにおよぶ広範囲かつ詳細な海底DSMを作成した。岩礁や礫、砂底の形状、配置など海底の微地形を正確に三次元モデル化することに成功した。三次元モデル上で植生・底質を判別した結果、陸から連続する岩礁上と冠砂岩盤上の2環境に海藻・海草類の生育がみられることが分かった。2018・2019年に撮影した写真により構築した海底DSMを重ね合わせて比較することで、当地で優占するエゾノネジモクが激減したことを示した。エゾノネジモクの減少は特に潮間帯直下で顕著であり、少数が現存する潮下帯においても凹凸のある立地条件で残存していた。また、当地においては砂礫の大幅な減少が生じていた。水中フォトグラメトリは生物の分布の変動と同時に、生物を取り巻く底質・地形の変化も調べることのできる強力なモニタリング手法であることが示された。 また、福岡県糸島市姫島においては、ウニ類が選好する立地条件の季節的な変動を明らかにするため、岩礁におけるフォトグラメトリ調査を季節毎に計4回行った。その結果、冬期にごく浅い礫底にムラサキウニの分布が集中することが明らかになった。また砂地と礫斜面の境界部に多くみられるガンガゼ類はムラサキウニと分布が重複せず、空間的なすみわけが生じていることが示された。
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| 現在までの達成度 |
現在までの達成度
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の岩手県大槌湾での調査では、水中フォトグラメトリを用いて底質の分類や植生の判別が十分可能な精密な海底DSMを構築することができた。また、複数時期の写真から構築した海底DSMを重ね合わせることにより、海底植生の変化や、その周辺の底質・地形の変化をモニタリングする手法を確立することができた。また、福岡県沿岸の岩礁域においてもフォトグラメトリによる継続的な調査を各季節に行うことができた。しかしながら、ガンガゼ類が生息する地点では季節的な変動を捉えるのに十分な回数の調査ができなかったため、次年度以降に追加調査を要する。
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| 今後の研究の推進方策 |
浅海底の景観生態学では、生物を取り巻く底質や地形、物理的環境の時空間的分布に基づいて生態系を理解することを目標とする。さらなる水中フォトグラメトリの応用手法として、水温・塩分などの計測ロガーと同期することで、海底の地図に物理的環境の詳細な分布を重ね合わせて示すことを目標とする。これにより、生物各種が好適条件とする環境要因の分析、個体数の増減や生息範囲の変動が生じた要因などの解明に利用できるツールとして確立することを目指す。
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