研究課題
若手研究
本研究では、環境問題の適応策に社会・地理的要素が寄与する条件と、現行制度の課題を明らかにすることを目指す。具体的には、アメリカ合衆国アラスカ州の遠隔地における有害廃棄物の増加という事象を対象とする。従来の研究は、北米先住民村におけるごみ問題の大きな要因が、生活の近代化や定住化を強制してきた植民地政策にあると指摘してきた。これらの研究は問題の歴史的経緯や政府の責任を追及した点で重要であるが、加害者対被害者という単純な構造ではとらえきれない現状について十分に議論していない。そこで本研究では、住民と政府、NGOなどの支援団体の関係性や地質などの社会的・地理的要因が問題の地域差に及ぼす影響を検討する。